じ~っと見ていたかと思うと、ニヤリと唇の端をあげる圭くん。
その圭くんの仕草に、あたしはピクリと反応してしまう。
悪い予感的中………。
それだけはやめてとばかりに、あたしは必死に首を横に振る。
だけど圭くんが、そんなことでやめてくれるような優しい人ではないことをあたしは知っていた。
「こいつと俺は…」
「ただの幼なじみで家庭教師と生徒の関係です!」
圭くんがよからぬことを言いだす前に、あたしは先手を打つ。
途端に、圭くんはすごい勢いであたしのことを見たかと思うと、刺すように睨んでくる。
怖い………。
怖いけど、負けるもんか!
あたしとの関係を、妙な脚色をつけてこの美女に言われた時のことを考えると、これぐらいの睨みなんて………。
女の嫉妬ほど、醜く怖いものなんてない。
あたしは今まで一度も経験したことないけど、高校生ともなれば、何回か修羅場っている場面を見たことはある。
あの時の般若のような顔をした姿ときたら………。
ああいう厄介なことに巻き込まれるのだけはごめんだ。
おまけに、真実ならまだしも、全くの嘘で妙なことに巻き込まれるのだけは勘弁。


