「―――どこ?」
「ん?
行きゃわかる」
聞いたのに、そんな冷たいことを言う圭くん。
本当に、優しさの欠片もない。
そりゃさ、行ったら会うからわかるけど、そういう問題じゃないでしょ?
ちょっと教えてくれるだけでいいのにさ。
こういうところとか、大っ嫌い!
ムカつきながらも、圭くんに腕を引かれて、あたしは渋々ながらそのオブジェの前へと連れて行かれる。
すると―――
「おうっ、圭史!」
片手を軽く挙げる黒髪で無造作に髪の毛を散らした人。
その人に、圭くんも軽く手を挙げる。
誰だ?
じっと見ていると、黒髪の人と目が合う。
「あ………」
その人はポカンと口を開けたかと思うと、急に圭くんの腕を引っ張った。
その時に、圭くんに繋がれていた手が離れ、あたしはホッとした。
思わず、今まで繋いでいたほうの手をパンパンと振り払う。


