あたしは思いっきり繋がれている圭くんとあたしの手を空いた手で指差す。
「………お前の手と俺の手…」
おいっ!
誰がそんな寝ぼけた答えが欲しいと言った?
「そういうことを聞いてるんじゃないの!
どうして、圭くんがあたしの手を握ってるのかって聞いてんの!
っていうかさ、離してよ!」
ブンブンと手を振るものの、圭くんは全く手を離そうとはしない。
それどころか、嫌がらせのように、あたしの手を握る力を強めてくる。
「さっきも言っただろ?
この人の多さだ。
はぐれるかもしれないって。
こうしてたらはぐれる心配もないだろ?」
はい、そうですね…。
って、言うと思うんかいっ!
「それは、お互いが想い合う、ラブラブなカップルの場合でしょ!
あたしと圭くんの関係は、只の家庭教師とその生徒!
こんな風に手を繋ぐ必要性なんて、皆無だから!」
だから、離せ!
睨み付けるあたしを一瞥した後、圭くんはハァとわざとらしく溜息を吐いてきた。


