「あ、あのっ」
私は思いきってそのメイド二人に声をかけた。メイドたは、いきなり私が声をかけたから、びっくりしたみたいだ。
「ど…どなたでしょうか?」
「あっ、あのぉ、メイド、足りないんですか?」
私が恐る恐る聞いてみると、一人のメイドがためいきをついた。
「そうなのよぉ、足りなくてねぇ、私たちの仕事が増えて本当に困るわ」
本当に困ってるんだ。こ…これはチャンス?
「わ…私、実は父がいなくて…、でも兄弟が多くて、母が働いてくれてるんですけど、…やっぱりやっていけなくて…。家族を支えるために、仕事を探してるんです…」
泣きそうになりながら、私が話をすると、つられてメイド二人も涙目になっている。
