私は仕事を探しに家を出る。
私たちは小さなアパートを借りた。
いままで住んでた場所と全然違うため、まだお母様たちも慣れないらしい。
私が働きに出ることに美緒は大反対だった。
バラバラになるなんて嫌だ。紗月ちゃんだけに仕事させられない、私も働くからって。
「ちゃんと頑張って働いて、戻ってくるから。私が帰ってくるまで、お母様とみんなのこと、お願いね?」
と私が笑うと美緒は泣きながら頑張ってっていってくれた。
海人もいつもは何もいわないのに、その時だけは、
「…頑張れよ」
って小さくいってくれた。
陸也も涙目になりながら私を見ていた。
空人は手を振りながら
「紗月ねーちゃん、いってらっしゃーいっ」
希衣も真似していう。
