『12月24日12時51分23秒。 黒澤遥さんのニュースをお知らせします。 同級生の持田という男子生徒に向かって走っている途中、 廊下の何もないところで転倒。 命に別状はないもようです。 ……ザザ……ザ……』 俺は口元を緩ませながら、明日の昼休みを想像した。 俺に向かって走ってくる途中に転ぶとは。 全く、ドジなヤツだ。 スイッチをカチリと切り、ラジオを机の上に戻した。