ラジオを買い替えても、結果は同じで。


最初は、夢か、俺の頭がおかしくなったんだと思った。


でも、あれからもう1ヶ月近くも経つ。


このラジオから聞こえる黒澤の予報は、俺の見た限りでは全て当たっている。


しかもその内容が、いつもどうでもいいことばかりなのだ。


教科書を忘れるとか、


電車に乗り遅れるとか、


落ちていた財布を交番に届けるとか、


ほんとどうでもいいことばかり。


「なんなんだよ……」


全く迷惑な話だ。


俺は黒澤なんて奴に興味はない。


ドジで、真面目で、ばか正直。


そんな彼女の未来なんか、俺には関係ないんだ。



そう。


関係ないはずだったんだ……。