気付くと俺は、真っ白な天井を見上げていた。


「……っ」


体を動かそうとすると、あちこちがギシギシと痛む。


というより、動かない。


「……?」


頭痛がひどい中、すすり泣く声がかすかに聞こえた。


「……も、持田くん!?」


温かいものが俺の手を、きゅっと握るのがわかった。


「持田くんっ!」


目だけを動かし隣を見ると、制服姿の黒澤がいるのがわかる。


「……く……さわ?」


声を出そうにも、上手く声が出てこなかった。


俺は一体、いつからこの状態なんだろうか。


考えようとすればするほど、頭の中がキーンと痛くなった。


彼女が俺の頭の上に手を伸ばしている。


ナースコールでも押しているんだろう。


俺は黒澤の手の温もりを感じながら、そっと瞼を閉じた。