車にはねられ、重体?


嘘だろ……。


俺は保健室に向かうのをやめ、へなへなと階段に座り込んだ。


両手で頭を抱え込む。


制服のズボンのポケットから携帯を取出し、画面を開いた。


12月23日14時26分。


5時間半後……か。


俺は、なんとかして黒澤が家に帰る時間を遅らせる案を考えた。


寄り道にでも付き合ってもらうか……。


俺はもう一度深呼吸をし、鳴り響くチャイムと供に教室へと戻った。