「い……いつ頃行きましょうか…?」
「直ぐじゃなくていいよ。幸歩が仕事に慣れて落ち着いた頃に、一緒に行こう?母さんにも、そう言っておく。挨拶よりも、幸歩が早く新しい環境に慣れるように支えることが、俺にとって大切なことだからな。」
柊平は、私の左手を握ると、薬指の指輪を撫でる。
柔らかい午後の日差しが指輪に反射してキラキラ輝く。
その指輪を見ていると、撫でていた柊平の手が止まって…
ふと柊平の方に顔を上げると、優しい瞳に視線が逸らせなくて…
ゆっくり近付いてくる柊平の顔に、私は静かに目を閉じた。
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