「幸歩のお母さん、仕事忙しそうだけど、大丈夫か?」 柊平は車の鍵を取り出して開けると、助手席のドアを開けてくれた。 「大丈夫みたいです。…というか卒業式の日の夜以来、毎日すごくテンションが高くて…。」 「そっか…。あの日は俺もドキドキしたけど、喜んでもらえて嬉しかったよ。」 柊平も車に乗り込むと、ゆっくりと駐車場を出て、車を走らせ始めた。 卒業式の日の夜… 私と柊平は、お母さんに結婚のことを報告したんだ…。