「私ね……昔、ピアノ調律師だったの。それで、主人の家の…あのピアノの調律をしに行った時に出会って…その縁でこうして一緒になったのよ…!」


ピアノ調律師だったんだ…、柊平のお母さん…。


そっか……
調律師とピアニストの恋かぁ…。


「……素敵な出会いですね。音楽を通じた出会いだったんだぁ……。」


お母さんは少し照れていたけれど、懐かしそうに笑っていた。