「幸歩?」 柊平が助手席のドアを開けて私を呼ぶ。 「あ…、すいません…。すごく素敵な家だから、見入っちゃいました…。」 柊平が差し出してくれた手の上に、私は静かに手をのせた。 「“素敵”か〜。そう言ってもらえると嬉しいな。」 柊平は笑いながら、私の手を引いて玄関へと歩く。 わぁ…… いよいよ、柊平のお母さんと会うんだ……。 どんなお母さんなんだろう…?