ここは住宅街で、わりと静かな通りだからよく聞こえた。 すごく落ち着く声。 きっと優しい人なんだなーと思い、その声がした方をみてみた。 そこには、やさしく笑いながら女の子の頭を撫でている、転入してきた、あの佐野君がいた。 佐野君って、クールだと思ったけど、こんなに優しい顔して笑うんだぁ……。 その笑顔は私に向けられたわけじゃないけど、なんだかドキッとした。