私と有紗は早く仲良くなった。時間になったから端っこの席につくと、さっきのおばさんがいた。
『みなさん、おはようございます。私は担任じゃないんですが、先生方はもう体育館へ移ってらっしゃるので。今からみなさんは体育館へ入りますので、廊下に整列してください』
おばさんはそういうとすぐ廊下に出た。私達は、こそこそと言いながら廊下に出た。
『それじゃあ着いて来てください』
黙って階段を降りていると、列の先頭で何かざわめていている。そしてついでに、おばさん先生もなにか言っている。
『誰かいてるん?』
理香子が身を乗り出して聞いて来た。
「分かんない…けど、多分遅刻してきた人だと思う」
『見えへんわ!…あ、ほんまや!なんか男の子いてるで』
理香子は背伸びをして見ている。私は見えないまま、理香子の制服の裾を引っ張った。
「どんな人?」
『なんかぁ〜、茶色い髪してはって結構かっこいいで』
「なんだ、チャラいのか」
独り言のように呟くと、有紗も顔を明るくした。


