『新入生、入場』
華やかなBGMと共に緊張した私達が、先輩が座った花道を歩いていく。
さっきまであんなにだらだらとしていたみんなが、急にシャキッと並んだ。
案内された席に腰掛け、周りを目だけで見た。私の周りは、男の子ばっかりで理香子と有紗は遠いところにいる。舞なんてなおさら見えない。
新入生の言葉が終わり、気の弱そうな校長先生の話も終わり退場の時間になった。
『新入生、退場』
騒ついた先輩の花道は、相当迫力がある。特に舞や理香子はもっと迫力があるだろう。髪の毛のことや、制服のことでまた言ってると思うし…。
『ちょ、ゆっこ聞いてや!先輩がうちのこと、調子乗っとる言うねんで!あり得へんよな』
ぷんぷん怒った理香子は体育館を睨み付けた。
「まぁじ?大変だね」
『入学早々、目ぇ付けられとるし〜!』
有紗はただ理香子をバカにしていた。だけど理香子は、挑発に乗らず文句を言っていた。
『めっさ影で言いはっとった。ただのヒャタレやんな』


