ハテナも付かない程、機嫌悪そうな顔。こいつ、絶対友達出来ない!
「入学式出ないの?」
『んなもん出っかよ。面倒くせぇ』
「出なきゃ入学出来なくない?」
『いっちいちうるせぇなぁ。別にいいだろ、どうでも。口挟むなよ、そういうのお節介っつーの、知ってる?』
嫌みったらしく言うとソイツは足早に人ごみをすり抜けて行った。…何!?今までで一番あいう態度でかい奴だし。
『なんなん?あれ。やっぱし自分に自信あるやーん。ほんまキモいわ。ナルシスト言うんやろ?あぁいうの』
有紗は何故か自信満々に言っている。でも本当にナルシスト。おまけに性格悪い。ちょっと顔がいいからって…。
『っていうか込みすぎちゃう!?どんだけ人数多いんやぁてね。軽く祭くらいあるやんな』
有紗は人ごみが嫌いらしくて、無意味に苛々している。
『有紗、ゆっこ、うちの裾持ちぃや。あんたら絶対どっか行くやろ。ほら』
理香子は振り向いて自分の制服のカーディガンを差し出した。
「あっ、ありがと」
『じゃあうちは、ゆっこの裾持つわ。破れたらどないしようか』
意地悪そうに笑う有紗は、本気で私のカーディガンの裾を破りそうだ。


