私は『売人ゆか』として世間の闇に潜みながら仕事をしてきたこの妊婦生活中で沢山の人達が逮捕された話を耳にしていただけに慎重になってた。初めての経験をするえりなに対し短期間で辞める様にもしたかった。
たいていが味しみて簡単にお金を儲けれると考えて金使いが荒くなる。
その辺えりなはお金に細々しており、きちんとしてくれているだけのしっかり者と私は安心していた面があった。
しかしやはりシャブの世界の恐さを後々に知ってしまう事になった。
裏世界の更に裏の顔。
誰もがあるのだろうか?このシャブの世界では普通の事なのか?
信じられへん事が次々と耳に入ってくる。
考えれん事が実現していく。
人間不振になっていく。自分が選び売人となった私自身もわからなくなって行った。
一人になる度、自分を責めた。
えりなといる時は売人の態度で売人ゆかとして対応していた。
友達じゃなく売人のゆかとして…

こうしているうちに4人、5人と私の客の説明をし、えりなに教えていった。
客は私が妊婦と知っていたから産休に入るから代理でえりなにバトンタッチしている事をとりあえずの形で伝えた。
客の恨みも怖かったから。
実際は出産まじかな私は出産したらピタッと仕事を辞める形までできていない事が悩みの種だったのが本音だった。
しかし繋ぐ先がない。
えりなにズルズルとシャブの世界にいてもらいたくない。
早い決断が必要だった。一人になる時間に個人業者さんに繋ぐ話を持ち掛けていく様にもした。
しかし世間で高値になっていただけに誰もが自分の客でいっぱいいっぱいの状況だった。
このまま出産を迎えてしまう事になる予感がした私は落ち着いていられない状況だった。
誰もこの気持ちはわからないだろうと思ってた。出産を前に仕事を辞める事、お金をためて家をかりて、ゆっくり妊婦生活を過ごしたかった私の思いは出産ギリギリまで叶う事はなかった