段々と寒い季節になるにつれシャブを好む客。
入手困難で高値の中、毎日シャブを仕入れる。
仕入れたシャブを個人業者に卸値で渡す。
何人か名前の通った個人業者の有名人にもシャブを卸値で出す。
沢山いる個人業者や大手業者が寄ってくる。
知らない人達…
面識さえない人達…
噂で名前を聞いた事がある人達…
私が知らない人達が私を知っている。
シャブ屋の女売人としていつの間にか名前が通る存在になっていた。
それは私にとって凄く嫌な事やった。
有名人に仕立てあげられる事が苦痛だった。
噂を聞き突然面識ない人から携帯がなるなんてありえない話…
それがありえる話だったのはやはりシャブの世界だと思った。
女売人なだけに寄ってくる個人業者はたいていが男の人。
それが嫌で仕方なかったチヤホヤされるとまた違うだけに苦痛で余計身を引いてた。
元々、人と接触持つのが好きではない。
どちらかというと苦手。自分一人で何かをするタイプ。
シャブ屋となり売人になった限り人と接触持たない訳にはいかない。
仕事は仕事と割り切り、限られた相手としか付き合いもしなかった。
周りに好き勝手噂され私の名前を聞く人が段々増えていた。
仲良くしてた個人業者の女の子から毎日名前も聞いたり有名で何処行っても皆が私を知ってると話を耳にする。
売人の中で名前が有名になっていく事はサムイ話であり、恨みにも繋がる怖さを私は薄々感じていただけに凄く嫌で仕方なかった。
そんなシャブの世界から抜けれずにいた私もいた。
慢性していたと思う。
少しの事で怖くも驚く事さえなかった。
右から左に聞く話ばかりだったから。