不安感から再びえりなにメールをしてみた。
『落ち着かんから入院セットを確認して家の中の掃除始めたら段々お腹張ってきて下腹痛みだして気づいたら3時間位たってるし』
『動いたらダメですよ。じっとしといて下さいね!朝、子供送っていった後すぐにいきますからじっとしといて下さいね!予定より早く陣痛がくるかもしれないですね。朝えりなが家いくんで一緒に病院いきましょう。』
『ありがとう、ゴメンなえりな』
『えりながしんどい時に静香さんが色々してくれたりしたからお互い様ですよ』
…その言葉が何ともいえない位に嬉しかった。
売人ゆかではなく、売人えりなではなく、年上年下の静香と年下の女の子の友達としての関係を改めて感じたのです。
えりなのその言葉で私は少し気持ちも楽になりホッとしたのは今でも忘れてない。
そして私は布団に入り横になっていた。
寝付きは悪く下腹の張りが15分に一度ひどく痛んでくる。
出産を前に不安と喜びとが私の中で複雑にぶつかっていた。
実の親に反対され、身内にも相談する事なく妊婦生活をギリギリ寸前まで仕事をして過ごしてきた分、いよいよ出産という事を自分の口から親に伝える事ができなかった。
というより私自身が幸せでも実の親の気持ちは一体どうなのかわからんかったから。
授かった命を私は下ろす事なんて全く頭になく一人でも産むと決めていたのに対し、顔も見せに来れん様な男の子供を産むのか!と出産に対し父親が言葉した一言が私の胸に引っ掛かっていたのです。
しかし私の意思は変わらないまま出産を目前まできて、実の母が私を出産した時はどんな気持ちだったのか等…色々と思いうかんできた。
母になるというのは言葉にできない様な何か凄い大きな壁を乗り越える様な気持ちになった。
不安感と共に強い気持ちが込み上げてきた。
私は母になる。
私の子供。
私が早く会いたかった子供と会える。
早く顔をみたい。
思いが膨らむ一方、お腹の張りが強く強くなっていったのです