あの時と同じ目で襖の間からじっと父親の背中を睨んでいる。


一つだけ違うのは…私はその目を見て更に激しく英生を求めていたという事。

何故そんな事をしたのかは分からない。

ただあの嫉妬の目に見られていたかったのだ…。


この時私はもう母親ではなく女で、栄太郎を息子でなく男として愛していたのかもしれない。

これはずっと前から決まっていたこと。


私達の運命…。


そうでしょう?栄太郎。