英生と並びうちへ帰る時栄太郎が私の手を握った。

その小さな手はとても力強く私の心を掴んだかのように思えた。


やがてやって来るその時を誇示するかのようにいつまでも私の手を離さなかった。

まだ6歳になったばかりの栄太郎の中の〃男〃に私は辱しめを受けているような気さえしていた。


私にも分かっていた…。

やがてその日がやってくる事を。

今はまだ親子でいよう。

英生のためにも…。