南へと向かう汽車に揺られていた。私はどこへ行けばいいんだろう…?

眠る事なくただ外を何時間も眺めた。

川田と暮らした街並みが見える…。


その向こうは母がいる街…。


何もかもが遠い遠い出来事のように思える。
全て夢ならいいのに…戦争なんてなければ良かったのに…。


私は初めて戦争を恨んだ…母を恨んだ…赤線を憎んだ…。


私は涙を拭わずぼやけた街並みを見えなくなるまで眺めていた…。