幸いまだここには来て居ない…。

私は簡単に荷物をまとめこっそり裏木戸から出ようとした

『どこ行くんだい?そんな荷物持って』

若女将だ…。

若女将は私から無理矢理荷物を奪い中へと押し戻した。

でもただならぬ私の様子を見て言った

『さっき警察官が一件ずつ手配書を回していたよ。ほら』

これで警察に突き出されると思った

『聡子、明日の朝早くでてお行き。ここはもう危ない。でも私だけには手紙を書くんだよ』