赤線の中が私の世界だった。

そこから出る事を禁じられまた、出る事を恐れた。


13歳になった春には中等部へは進まず母と同じ道を歩き出していた。

公然と春を売る場所。赤線。

唯一私が愛され満足できる場所がそこにあった。

私は客をほとんど軍人にした。

金をもらうのは当然だが、チョコレートを貰うのが嬉しくて仕方なかったのだ…。

あの甘さが私を少女へと戻らせてくれるから…。