私は逝く前にどうしても会っておきたい人がいる…。

会って詫びなければならない人。

私が心から愛し癒された人。

若女将。

汽車に乗り…風景を思いだしながら懐かしい匂いのする町に降り立った。

何年ぶりだろう…。

時代の流れを感じさせないこの町は何ひとつ変わっていない。


変わり果てたのはこの私だけだ…。


若女将は私を許さないだろう。

警察の手もここまで及んでいるだろうから。