私と中山との噂はこの狭い町に知れ渡るのに然程時間はかからなかった。

本妻である美代子の耳にも自然と誰かが入れたようだ。

最初は信じてはいなかったようだがある晩、私の元へと通う中山の後をつけて来た。

泣き叫んだ挙げ句私を罵り暴力を奮った。

私は抵抗もせずただ中山と抱き合えなくなる事だけをおそれていた。

そしてバッグから封筒を取り出し私へと投げつけた

『クビだよ!町から出ていけ』