「俺が面倒見ますから・・・」



叔母さんがまるで害虫でも見るかのような顔で、下から上までなめ回すように那抖を見た。




「あなたが?あなた何歳?
    あなたが養う訳?」




「そうです。いけませんか?」




「だって。ねぇ・・・」

叔父さんと叔母さんが顔を見合わせた。




「紗茅は全て一人で
 乗り越えて来ました。
 生活だって
 一人でできない訳がない」




「大丈夫だ!俺がいらぁな!」




「親父!」




「さっちゃんはうちで預かる。
 この家は無くしちゃいけねぇ。
 親父さんの
  命が吹き込まれてるんだ!」




「おじさん・・・」




「いいな!さっちゃん!」



「うん」

あたしは、那抖とおじさんの気持ちがとってもうれしかった。




「でもねぇ・・・」




「さっちゃんの母ちゃんには
 頼まれてんだ!文句あっか?」




「ママにっ?」

あたしはいつの間に二人がそんな話しをしてたのか、会っていたことさえも知らなかった。




それでおじさん色々と・・・




「まぁ血が繋がったあたし達より
 そんなどこの馬の骨か
 わからないような人達にっ?!」




「やめて!・・・もう、帰って!」




「あら!そう・・・」




おばさんはパパに線香あげるのを忘れてたわと線香をあげて、また連絡するからと言って帰って行った。




「なんだ!あのババア!」
おじさんが本気で怒っていた。



「塩まいとけ!塩!」

那抖はがっぽりと塩をつかんで玄関にまいた。



「おじさん、ありがとう。
   那抖もありがとね」




二人が同じ顔をして鼻の下を擦りながら笑った。