モノクローム


「中、見ていい?」

あたしは零からのプレゼントを開けてみたかった。


「構わないけど、たいしたものじゃないよ」


「そんな…貰えただけで嬉しい!」


包みを開けようとするあたしの手を

「あ、やっぱ家で見て。恥ずかしいわ」

と零は押さえた。


「えぇ〜!じゃあ早く帰りたい」


あたしは駄々っ子のように甘えてみせた。





プレゼントの意味って…

何だろう?


バレンタインのお礼だけ?


わざわざ待っててくれたのは…?


少しはあたしに気がある?



頭の中は妄想だらけ…


そしてあたしはさりげなく聞いた。



「零って…彼女いないの?」

あくまでも会話の流れを止めないように…


「…もう…いないよ…」


零の横顔は、もうそれ以上突っ込まないで…

というような、拒絶の色が浮かんでいた。