「ごめんねー、京奈ちゃん、退屈したでしょう?」
アキが言う。
「うぅん」
あたしは大きく首を振った。
「ホントに楽しかった!
あたし一人の為のライヴみたいで…得しちゃった!」
「ゴールデンウイークにはライヴやるから、おいでよ」
楓がニコニコしながら話しかけた。
「そぉーなんだぁ!」
あたしが目を輝かせていると、アキが少し前のめりになって
まるで秘密の話をするかのように、あたしに顔を近づけて言った。
「なに、零から何にも聞いてなかった?」
「う、うん…」
「てか、ほんと、どんな関係?」
「どんなって…」
あたしは返答に詰まった。
「てかぁ〜、零ってどんな人なんですか?やっぱ、人気あるんだよねぇ…
彼女とかっているのかなぁ?」
話を逸らすつもりが、1番気になることを聞いてる自分がいた。


