練習はお昼までに終わり、皆でご飯を食べに行くことになった。
アキのワンボックスカーに乗り込み、1番値段が安くて有名なファミレスまで行く。
みんな、定職についていないこともあって、結構ギリギリの生活をしているらしい。
あたし達は角の1番広い席に案内された。
そこでの会話も音楽の話に花が咲く。
専門用語も飛び交い、あたしはちんぷんかんぷんだった。
それでも、零の隣に座っていられるだけで、十分満足。
音楽をこんなに熱く語る彼らが眩しくて、羨ましくて…
夢が叶うといいなぁ…なんて漠然としながら聞いていた。
そして何度もフリードリンクをお代わりした。
中でも零はやっぱり口数が少ない方で、アキは唾を飛ばしながらの弾丸トーク
それから、ギターの楓は飄々としていて
ギターを弾いている時のエネルギッシュな感じが嘘のよう。
ベースのジョーは意外に三枚目のボケ係りだった。
(あ〜このまま時間が止まればいいのにな…)
その時だった……
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