「…っしゃあ〜!」
アキは言うと、シンバルの音がして、次に物凄い早さで
ダダダダッ…ダダーン♪
地響きがおきたようで、あたしはビックリした。
そのリズムに合わせるようにギターの高い音がする。
それに重なるようにベースの音がボンボンと遠慮がちに聞こえる。
その前奏を聞きながら、目をつぶり感情移入している零は、ドキドキするほど様になっている。
足の先でリズムを取りながら、俯いていた零が
髪の毛を掻きあげたと同時に歌い出した。
そう…
このハスキーな声……
あたしはうっとりとして聞いた。
目を閉じ、メロデイを耳で感じ、詞を心に刻みながら…。
知らないうちにあたしも体を揺らし、リズムをとっていた。
♪〜♪〜♪♪〜♪〜♪♪
一曲歌い終わった零と目が合った。
零は照れ臭そうだった。
あたしも笑った。


