「そろそろ丸めてもよさげじゃん?」
鍋の中を見て明日香が言う。
「どれ……」
あたしは指先でチョンとつっつき
「うん!バッチリ〜!」
そう言うと指についたチョコをペロッと舐めた。
ラッピングも無事終わり
あとはカードにメッセージを書いて…
「ね、この残ったトリュフ、もっと食べていい?」
絵里が手を伸ばした時……
「あ、ダーメ!ダメダメ!これ以上はダメ!」
あたしが大袈裟に言うと
絵里がビックリして振り返った。
「そんな大声出さないでよ〜!」
「…ごめん」
「え?まさか……」
「黒の君?!」
「黒の君?!」
明日香と絵里は同時に叫んだ。
「ん?ん〜〜わかんない…けど…」
「あーやしー!」
明日香が睨む。
「どうやって渡すつもり?明日はヒロ君と会うんでしょ?」
絵里が言う。
「ん〜だから、もし渡せたら…だよ?」
あたしは笑ってごまかした。


