前日、あたし達はそれぞれ材料を持ち込み

家のキッチンで格闘していた。



絵里はあたし達と同じ合コンで知り合い、ヒロの友達の雅史クンと付き合っている。


「雅史、クッキー好きだからチョコチップクッキー作るんだ!」

と張り切っている。



明日香はあたしと高校からの友達で、当時から2年付き合っている優クンに

あたしと同じトリュフを作ることに決めていた。



「ねぇ、チョコチップ少なくない?」


「でも分量変えるとよくないよ」


「そっか…」


余ったチョコチップを恨めしそうに見ている絵里に、あたしは提案した。


「ねぇ、ココア風味の生地にチョコチップ入れてもいいんじゃない?」


「なーるほど!流石京奈だわ!

てかさ、ココアなんて持って来てないし。
作り方もわかんないしー」


「家にあるある!
それにあたしの部屋に行けば、お菓子の本あるよ」


「うおぉ〜!やったね!」


絵里はバタバタとあたしの部屋へと走って行った。