「おはよう〜!何?
こんなとこで」


遅刻魔の弥生が声を掛けてきた。


あたしは明日香にはまた後で話すことにして

絵里と弥生に朝のバスターミナルの話をした。





「…え?そんだけ?」

弥生が笑った。


「だって…お礼いいたかっただけだから…」


「こじつけじゃ〜ん!」


またも馬鹿にしたように笑う。


「他になんていうの?」


「そ、それは…」


すると絵里がニヤニヤしながら口を挟んだ。


「要するに、京奈はなんでもいいからお近づきになりたかったんでしょ?」


「なんでもいいから…って……たまたまキッカケがあったから…」


あたしは口を尖らせて拗ねた。





「でも、ヒロくん居るんだから、これ以上突っ込まないの!」


絵里に釘を刺される。


「わかってるってば〜!
ヒロはヒロ、黒の君はただの憧れの人」


「それならいいけどね。
京奈みたいな我が儘、ヒロ君しか務まらないよ?」


と弥生にほっぺたを突かれた。





そんなことは言われなくても

あたしには充分過ぎるほど解っていた。