モノクローム


思い出の場所??


あたしは思い浮かばない…

こんな時間に思い出の場所、あったかな…?


嫌〜な予感がよぎり、胸騒ぎを覚えた。



住宅街を抜けずっと行くと、まだまだ畑やたんぼが残る田舎の風景が見えてきた。

その雑木林の所々に、車が一台止めれるくらいのスペースがいくつか開いている。


まるで、お金のないカップルが車という密室で

お互いを貪り合うだけの、絶好の秘密の場…



……え?

ここ?何するつもり?


不安と恐怖、それに怒りも混ざって

上手く言葉が出ない…



……ヒロ?

何考えてるの?!



迂闊にも車に乗ってしまった自分を悔やんだ。



サイドブレーキをかけると、ヒロはシートベルトをゆっくり外す…


その動作を警戒心いっぱいにあたしは見た。



ヒロがあたしの方にいきなり体を寄せた……!





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