「朱里、逃げろ。逃げてお前だけは生き延びろ。」
狂いそうだった。
いいえ、いっそ狂えたら楽になれたのに...。
私の瞳に映るのは春牙の姿。
青褪めた彼の顔。
「俺の朱里、俺は死んでもずっとお前の側にいる。お前を独りにはしない。だから生きろ。ここから逃げて生き延びるんだ。」
「イヤよ!春牙と一緒に生きるのよ。私は春牙と一緒じゃないと生きれない。」
「お前は里を継ぐ者、俺と冬牙が死んだのがわかったら、お前は里の者に狙われる。ここから早く放れるんだ。」
「春牙も...春牙も一緒に...」
泣いて縋る私を引き離して春牙は微笑を浮かべながら首を左右に振った。
「どうして?一緒に生きるって誓ったのに...どうして?」
「好きだよ。俺にとって朱里はいつでも特別だった。お前が生まれたときからずっと俺にとっての特別は朱里だけだったんだ。愛している、これからもずっと...」
「しゅ..しゅん..が...春牙ーー!!」


