涙を拭うように落とされた彼の唇。


私の頬をペロリと舐める彼に私はビックリして突き飛ばしてしまった。



「酷いなー。」


言葉とは違って笑っている彼。



だって刺激が強すぎます。




「キスしていい?」



「ダメです!!」



「どうして?」



「もう...お腹一杯だから...。」



「なんだよ、それ。」






クシャリと自分の髪を掴んだ後、嶋田さんはニッコリと笑った。




「芽衣ちゃんって手強いと思ってたけど...俄然、俺燃えてきた!」



「なんなんですか!」



抱きついてきた嶋田さんに驚いて声をかけても彼の腕の中から出れそうにない。




「石野に言われたんだ。比叡山で...。」


「何をですか?ってか放してくださいよ!」


「放さない。」


「放して!」




もう限界だよ。


心臓が痛いほど動いてて体も熱い、頭もなんだかボンヤリしてる。