「芽衣ちゃん、処刑の話したらもう紫衣の暴走止められないよ?」
クスクス笑う良君のの声とえーっ!!って叫ぶ芽衣ちゃんの声。
大好きな三成の処刑の話なんてしないでよ。
瞳にいっぱい涙が溢れてきて零れ落ちそうになるのをグッと堪えたんだ。
「それはまたその時に思い出す。」
今は悲しすぎて考えられない。
震える声で呟くと私の肩には良君の腕が回って抱き寄せられた。
「はいはい結局はバカップルなんだから!!」
ごちそうさまと言い残して芽衣ちゃんは私と良君から離れて一人で歩いて駅に向っている。
「良君も呆れてるんでしょう?」
素直にごめんなさいと言いたいのに出るのは憎まれ口。
「いいや。紫衣はそのままでいいよ。
夢があって、だけど俺のことも考えてくれたらなって思うときもあるけどね。」
「ごめんなさい。」