琵琶湖湖畔の駐車場に車を止めて嶋田に声を掛けた。


こいつ結局車に乗ってからずっと寝てやがッた。



今からはこいつの時間。


早速ナンパにむかうんだろう?


俺は車で一眠りしようか...。



女なんてどうでもいい。


うるさいし、臭い。


香水や化粧品の匂いをプンプンさせた女が側に来るだけで気分が悪くなるんだ。



だからそんな女を探しに行く嶋田と一緒に行動するなんて真っ平ごめんだと思っていた。





「うーん。
着いたのかー。
早速...。」



「ナンパだろ?俺はここで寝て待つよ。」



大欠伸をしながら話し出す嶋田の言葉を遮って俺は先に自分の意見を口にした。




「はぁ?人聞きの悪いこと言うなよ!。観光だよ!!か、ん、こ、う!」




言葉を吐き出した後、ニヤリと笑って嶋田は俺の手を引っ張った。


車から引き摺り下ろされた俺は唖然としたまま車のキーを嶋田に奪われ、ちゃっかり車をロックした嶋田の言葉に促されることになったんだ。



「さぁ、まずは目の前の遊覧船から攻めましょうか!!」



昔から嶋田のペースで事が運んでしまう。


奴の強引さに俺は逆らえないんだ。




俺とは違う野生的な嶋田。



今流行の言葉を借りるとまさに肉食系男子。


対照的に俺は典型的な草食系男子に見えるらしい。



本当は断じて草食系なんかじゃないと声を大にして言いたいが、それも面倒で好きに言わせてある。




俺の本性を知っているのは嶋田くらいだ。


親友と呼べるだけに俺との付き合いも長い。


嶋田は俺にとって大切なパートナー的存在。


女好きなところだけ何とかなれば俺にとって最良の奴なんだ。