「待てって!!」
「ヤ..放して!」
門を目の前に急に掴まれた腕。
「放してよ!!」
力強い指。
少し汗ばんだ温度の高い掌。
いつも私を安心させてくれる大好きな人のぬくもり。
だけど今はイヤッ!
きっと嶋田さんにあたってしまうから...
可愛く笑えないから...
だから...
「話を聞け!!」
嶋田さんに抱きしめられた私は体を捩ってなんとか腕から逃れようとするけど彼はびくともしなかった。
「放して!!」
「放さない!!」
どうしてよ!!
なんで??
嶋田さんなんて女の子に囲まれてニコニコしてたらいいじゃない!!
心の中で目一杯叫んだ。
でも口には出せない。
本当はそんな風に思ってないから...。
ただのヤキモチ。
嫉妬深い自分が嫌いになる。
わかってたのに...
嶋田さんは常に女の子に囲まれてるってわかってるから...
だからハラハラするけど、イライラするけど笑ってたんだ。
だけど...
だけどね。
今日はダメ。
笑えないよ...。
だって今日は特別な日なんだもん。
一年に一度のValentineなんだもん。


