講義が終わって暢気に片付けをしている紫衣の腕を引っ張り教室を飛び出した。


向かうのはいつも紫衣と一緒にランチをするカフェ。


嶋田さんと石野さんも来てるはず。


だから急がなきゃ!!


今日は紫衣が苦しそうに息を弾ませているのも気にせずにダッシュでカフェに着いた。


だけど想像通りの光景が目の前に広がった。


やっぱりなって思う気持ちと焦る気持ちが私に勇気をくれる。


「いざ!出陣!」


気合たっぷりな掛け声を掛けて足を踏み出した。


自分を奮い立たせないと彼の側に行けない。


彼の側にいたいんだもん。


誰にも彼を渡したくない。


だから躊躇してたらダメダメ!!


そう思って女の子の壁を乗り越える勢いで突き進んだ。


かき分けながら進む私と紫衣に容赦ない女の子たちの声が聞こえるけどサクッとスルーして...


「ハァー…やっぱり…」


飛び込んできたのはテーブルに向かい合うように座っている嶋田さんと石野さん。


テーブルの上には綺麗にラッピングされたチョコレートが山積み状態で、


「許さないんだから!」


一言呟いてズンズン足を進めた。


まさか受け取ってないよね?


だって一番に渡したいって話したよね?


だけど目に映った光景は期待はずれで、テーブルに山積みになっているプレゼントの数々。


それも!!


それも、嶋田さんの前にだけって...。