「紫衣、行くよ!」


大学の授業を終え、キャンパスを走り抜ける女2人。


腕を掴まれぐいぐいと引っ張るのは芽衣ちゃんで、


「ちょっ…」


ぜぃぜぃと息を切らし言葉にならない声を発するのは私。


強引な芽衣ちゃんを私は止めることは出来なくて、興奮している今は特に止める事なんて出来るわけがなく


「着いたっ!」


目的の場所に着くまで彼女に引きずられるように連れてこられた私は足を止めた芽衣ちゃんの後ろで胸に手をあて息を整えていた。


「さて、行きますかっ!」


まだ息が上がったままの私の腕を再度掴かんでぐいぐいと引っ張る芽衣ちゃんに、


「まっ…て…」


まだ息を整える事の出来ていない私には言葉を発することも出来ず、


「ひぃゃー、凄いね。」

芽衣ちゃんの言葉にやっと周囲を見渡すと人人人の塊?というか壁が瞳に映った。


ってここ大学のカフェだよね。


いつもランチしてるカフェでしょ?


なんなの?


この人の多さ…


何かイベントでもあったっけ?