触れたくて...。


紫衣に触れたくて気が狂いそうだ。


眠る紫衣にそっと囁く


「好きだよ...。」


眠る紫衣の手に手を重ねる。


それだけで体が燃えるように熱い。


欲しい...。


持ってはいけない感情。


俺のものにしたい。


抱いてはいけない感情。


もう任務を外れなければ感情の制御が難しい、そう感じだした俺は桔梗に適当な理由をつけて見回りを押し付けた。


「今日は俺は見回りに行けない、夜にしか咲かない薬草の花を椿と一緒に取りに行くから紫衣様のお部屋の見回りは紅葉が行ってくれ。」


平穏な生活を送っていた俺に突然戻ってきた見回り任務。


「朱里は?」


「左近様と一緒だ。野暮なこと聞くなよ...」


困ったように小さく呟いて、頼んだぞって言葉を残して桔梗は屋敷を出て行った。