「奥方様、部屋にジッといてくれないと困ります。」


三成の後ろから音もなく現れた五助さんと六助さん。


「え?」


驚く私に三成はニヤリと笑ってから口を開いた。

「そなたの警護が大変だとは聞いていたが確かにそのようだな。」


「………。」


ひょっとして私、1人でアタフタしてたの?


しかも、決定的瞬間ってやつ?


現行犯逮捕?


そんな感じ?


っていうかハメられちゃった?


気付いたときにはもう遅くて、五助さんたちの後ろでほくそ笑む紅葉さんと目があった。


勝ち誇ったような紅葉さんの表情にイライラしたけど彼らにお咎めがなかったことを知れて気分は晴れやか。


「部屋に戻るぞ。」


満足そうに、だけど表情を崩さない三成に手を引かれて私は部屋に戻った。


妊娠してつらーい悪阻を経験して、五助さんたちの香の作用で動けなかったのか悪阻のせいなのかわからないけど、もうスッキリ。


悪阻のち晴れ。