知らなかった。


退屈な毎日をあの白い花は私をとても慰めてくれた。


悪阻が酷くなって花を愛でる余裕すらなくなってスッカリ忘れていたけど、毎日部屋で綺麗に咲く花が見れたのは彼らのお陰なの?


「この小さな畑に五助さんと六助さんの愛情をたっぷり感じるよ。」


だから三成に絶対に処分なんて怖いこと考えないでとお願いしようと心に決めた。


「殿も鬼ではない。
お優しすぎるくらいお優しい方だ。
だから紫衣が心配しなくとも、奴らが悪いようにはならない。」


殿を信じようって紡がれた紅葉さんの言葉に私もコクリと頷いて返した。







それから数日。

私は誰にも会えなかった。

みんなが私から少し距離を置いてる気がする。


紅葉さんは屋敷にいたのは1日だけで次の日からは三成と一緒に出掛けてしまう。


朱里さんも忙しいと全然相手にしてくれなくて、私1人が退屈な日々を送っていた。