「やだ!!紅葉さん、ハッキリ言って!!」
モヤモヤが拡大する一方で早くスッキリしたいって思った私は紅葉さんを急かすように言葉をかけた。
「あーっっ!!もうっ!!」
頭をガシガシと掻きながらもだえる紅葉さんに肩がびくりと跳ね上がった。
何?
何なの?
どうして話をしてくれないの?
イライラより不安が広がるよ...。
私、何かとんでもないことしちゃったのかな?
五助さんと六助さんとは初めて逢ったって思ってたけど、そうじゃなくて迷惑かけちゃったとか?
自分が何かしちゃったって考えると要因が多すぎて益々不安になっちゃうよ!!
「泣くなよ...。」
いつの間にか頬を涙が伝っていた。
その涙を紅葉さんの指が掬ってくれる。
「泣いてないよ?」
精一杯の笑顔を向けて応える私を抱きしめてくれるのは目の前にいる紅葉さんじゃなくて何故か背中から伸びてきた腕に体ごと絡めとられた。
「てめぇ....紫衣を放せ!!」


