「私が怖がられてるんじゃなかったらどうして2人はあんなに緊張しているの?」
役立たずの紅葉さんは放置しておいて朱里さんに尋ねると朱里さんも困った様子で曖昧に頬笑みを浮かべるだけだった。
っていうか...。
せっかく美味しく食事が出来るようになったのに、なんだかモヤモヤするじゃない!!
「紅葉さん、笑ってないでちゃんと説明してよっ!」
痺れを切らしたように話す私の前でやっぱりかなり恐縮した様子の五助さんと六助さん兄弟。
原因すらわからないのに怯えられるなんてとっても気になるじゃない!
それに知らない間に彼らを怯えさせる何かをしてしまったのかもしれないし、誤解はといておきたいじゃない!
豪快に転がりながら笑っていた紅葉さんの背中をペシペシと叩きながら促してみたら珍しく真面目な様子で私の話に耳を傾けてくれた。
「あのな...言いにくいことなんだけど...」
もごもごと歯切れの悪い紅葉さん。
「何?ハッキリ言ってくれていいよ。」
覚悟はできてるから!って続ける言葉に大袈裟なんだよって言葉が返ってくる。
だけど尋常じゃない彼らの怯え方に少しくらい覚悟をしてなきゃショックを受けたくはないものね。
「あのさ...。」
「はい。」
「えーっと...。」
「はい」
「............。」
何?
いったい何を言おうとしてるの?
っていうかそんなに言いにくいこと??


