忍ってそんなにたくさん?
今だって朱里さん、紅葉さん、桔梗さんに椿さん。
4人もいるんだよ?
「桔梗はともかくとして、椿は屋敷にずっといるわけではないだろう?」
私の疑問に応えるように紅葉さんが話し出した。
「お城には他にはもういないの?」
「そう言うこと。」
お城を守っていた桔梗さんや椿さんも屋敷に来ちゃってるから忍を増やすんだね。
「っていうのは表向きの理由なんだけどね。」
ペロッと舌を出していたずらっ子のような表情を見せる紅葉さん。
「表向き?」
「そう。表向き…だよな?」
紅葉さんはニカッと笑って五助さんと六助さんに話しかけた。
「はぁ…。」
困ったように紅葉さんを上目遣いで見ながら返事をする五助さんに紅葉さんは小さく舌打ちをしてギロリと睨みつけた。
そんな紅葉さんの態度に五助さんと六助さんは小さく肩を震わせながら俯いてしまったんだ。


