部屋について、また布団に押し込まれ、


「で?何?」


「何が何?」


ドカリと布団の横に腰をおろした紅葉さんに尋ねられても何を言われているのかわからない私。


「あーもうっ!
なんなんだよ!」


「なんなんだよってなによ!
意味わかんないのは紅葉さんでしょ!」


イラつく紅葉さんに私もイライラしながら言葉を返した。


「お前が言ったんだろ!阿呆紫衣!」


「阿呆紫衣って言わないで!」


「阿呆に阿呆って言って何が悪いんだよ!」


「うるさい!
意地悪紅葉!」


言い合いをしている間に私は布団の中で体を起こし、元気に腕を振り上げていた。


そんな私を見て紅葉さんは、


「なんだよ。
ちょっとは紫衣らしくなってきたな。」


顔色もいいみたいだって優しく微笑んでいる。


「えっと…」


紅葉さんの急な変化に私の思考はついていけるはずもなく、瞳をキョロキョロと左右に動かした。

「で?お願いって何?」

柔らかい紅葉さんの口調。


スッカリ忘れてた自分を恥ずかしく思った私は俯くしかなかった。